東京スカーレット

 

 
なぜかテレビ番組の話が多くなる。
 
別に局に依頼されて、ではない。スタッフに知り合いがいること、
 
エンドテロップで流れたから、ちょっと宣伝してやろう、と、
 
思っただけだ。警察モノだが、主演は水川あさみさん。
 
前から好きだった女優さんだが、ゴールデンでの主役は、
 
滅多に来ない遅咲きの女優さんだ。
 
で、女の子の話題は大好き・・・な私だが、
 
それだけじゃ番組評だ。ちょっと気になったのは、
 
女性課長が職場のことを、「署」ではなく、
 
「カイシャ」と言ったこと。踊る大捜査線でも、
 
「本店」「支店」と呼び合っていた。
 
警察官は、制服を着ていないとき、
 
警察官であることをバレるのを嫌う。
 
だから、職場のことは「ウチの社は・・・」
 
と語ることが多い。でないと、たとえば、
 
電車のなかで、キャッ痴漢、
 
と言って逃げ出した女の子に「警察の人ですよね? 痴漢ですっ」
 
と言われて指をさされても、厳密に言えば現行犯ではない。
 
令状がない以上、女の子の証言だけ信じて、
 
男を捕まえれば、刑訴法、警職法に触れる。
 
万が一、触られている最中に女性がその手を取り、
 
「このヒト、痴漢ですっ」と叫べば現行犯要因が成立するから、
 
警察官だって私人だって、逮捕できるのだが。
 
拙著・屁理屈屋で、織田警部補が職場を「カイシャ」と、
 
呼んでいるのは「ま、自費出版だし、多くの人には知られないな」
 
と思って記述したのだ。が、読んでいる人は読んでいるようだ。
 
一般に警察官は、顔を知られると、公安とかの出世コースには乗れないし、
 
勤務時間外はフツーのヒトでいたいのだ。
 
だから、「カイシャ」と話している人たちは、
 
みんな会社員でいいじゃないか。いざという時、活躍してくれれば。

 
 
コピーライター・作家 行政評論家 江古田潤