偉い人



ぶっちゃけ、で書いたように、私は役所の偉い方、何人か知っている。

他にも農水、外務、その他いろいろ。

国家の中枢にせまる仕事をしている人たちに、何度か会って、

私の国家観に共感していただいている。だから、私の医学記事に、

ケチをつける人がいるとは・・・ふ・・と、笑ってしまう。

たとえば。



「……だから医者なんて嫌いなんだよ。とにかく抗生物質だ。

知ってるぞ、風邪には抗生物質、効かないんだろ?

 あれは医者が儲かるから出してるんだって前、誰かが言ってたぞ」
 
テレビに飽きたのか、そろそろ食べられると気づいたのか、

織田がまたダイニングテーブルに戻ってきていた。テレビは付けっ放しだ。

「べつに儲け主義で出してるんじゃないですよ」

 背中を向けたまま修家は返事をした。

「だって、風邪のウィルスは殺せないんだろ?

 じゃ不必要じゃねぇか。『ご一緒にポテトもいかがですか?』ってなもんだ」

「そうですね、確かに」

 鍋の作業を終えても修家は、ダイニングテーブルを背にしたままだ。

「アデノウィルスにもサイトメガロウィルスにもコロナウィルスにも

 EBウィルスにも、つまりそのへんにウヨウヨいる病因ウィルスに

 抗生物質は効きません。もちろんインフルエンザウィルスにも。

 現在使用されている抗生物質はほとんどが

 ラクタム環に活性部位を持たせたもので、その作用機序は、

 細菌の細胞壁合成能力を阻害して増殖を抑制するというものです。

 だから、もともと細胞壁のないウィルスには効きません。

『ウィルスを不活化させなければ治したことにならない』というなら、

 治せないんでしょうね」

「じゃやっぱり儲け主義じゃねぇか。薬価差益が出るんだろ、薬を使えば使うほど。

 健康保険から医者が受け取る薬価は定価、

 製薬会社が医者に卸す価格は3割、4割引きは当たり前なんだってな」

「と、いわれても」 
 修家は苦笑して続けた。

「病院経営のことなんか、ぼくらには分かりませんよ。でも発熱や咳、

 鼻水なんかの症状はウィルスだけで起こるわけじゃないんです。

 むしろウィルスにやられた細胞組織に、その辺にいくらでもいる雑菌が

 日和見感染して引き起こしていることもあるし。

 そういう場合、圧倒的に抗生物質が効きます。二次感染も防げますしね。

 マクロファージとかの白血球、身体の免疫細胞はウィルス叩きのみに専念で

 きるわけですから。それに……」

「それに、なんだ」

「過去の亡霊が甦りつつあって。国は……

 厚生労働省は亡霊の復活を阻止したいんじゃないですか?」

「亡霊?」


↑拙著・屁理屈屋P181。第一主人公と第二主人公の会話。

厚労省の背骨と言われた法律は、今では名前を変えてしまったけれど。

ところでさぁ、女の子まで巻き込んで恥ずかしくないの?

私は誰の名前も書かないし。個人情報保護法を優先。


コピーライター・作家 日本の医療を憂う人
法案提出補助 医学研究補助 渡世人 江古田潤