守りたくて

安倍政権解釈改憲のまま、日本は船出した。

自衛隊はアメリカとの共同作戦のための水陸機動車やら、

ミサイル防衛の新規プログラムを導入し始めている。

だから、私は拙著・屁理屈屋で書いたのだ、

あのヒトたちを守るために。

↓P240「難病」より

「馬鹿くせえよなぁ、戦争なんて。なぁ」

「だね……」あいまいに修家は同意する。最近よく

『日本はアメリカに依存せず、真に独立せよ』だの

『そのために核武装すべきだ』などという論調を

耳にするようになった。若手の評論家や議員には、

ためらいなくそうした意見を口にするものもいる。

「(遺伝子)組み替えウィルス詰めた魔法瓶一本で、

世界中の人類が滅びるかもしれねえって時代に、

まだ核軍拡競争かね。ホント、馬鹿だよ、あいつら」

「……」

「しっかしさ、医師免許取ったらさ、おれ達も戦争、

行かされるかもな。そんな法律、ずいぶん前にできたんだろ?

 ……あ! 修家お前、医事法ゼミ取ってるんだよな。

どうすれば従軍命令、拒否できるか考えとけよ。頼むぜ」
 
↑第一主人公(修家聖/しゅうけ・ひじり/怠学中の医学生)と、

学友との会話である。これは一度書いたものを全文破棄して、

書き加えた文章だ。あのヒトたちを戦争に行かせたくない。

Ku先生を、さとる先生を、うどん先生を、ASK先生を、

BJになりたくて先生を、そして私を診察してくださった、

東京医科大八王子医療センターのドクターたち、看護師さんたち、

隣駅の名医、某市民病院のドクターたち、

アメリカにいるから関係ないか、との思える浅○先生も。

それに日大板橋のドクターたち、看護師さんたちを。守りたくて。

そう、守りたくて、この十行ほどを付け足したのだ。

それなのに。

 

コピーライター・作家 医科学評論家 軍事評論家

ヤフチャ科学部屋・生物医学担当    江古田潤