当たり前の話
当たり前の話だが、風邪の病原因子はたいていウイルスであり、
生物ではない。拙著・屁理屈屋では、ラクタム環にまで触れた、
本格医学SFであり、お笑いエンターティメントであり、
軍事・政治ミステリである。
↓P349より。
当たり前の話だが、すべての生命は細胞から出来ている。
細胞は細胞膜で蔽われており、細胞膜はその強靭さを作るためのリン脂質、
構造タンパク、多糖類、さまざまな生理活性物質の出入り口となる
受容体タンパクから出来ている。細胞内はもっと複雑で、糖はもちろんリン酸が各種、
機能タンパクや輸送タンパク、またその分解物であるペプチド、
単アミノ酸などが数十から数百種。いや、もっと存在するかも知れない。
ここに各種のミネラル類や、それと結合した酵素タンパク、
糖鎖の修飾活動なども出入りしている。
これら存在する分子ひとつひとつ同定するだけでも、検算を考えると108種かける2。
そして、細胞に含まれる分子の種類は数百以上となるので、その数をかけることになる。
さらに服んだヒトの体内に存在する各種の消化酵素や受容体、輸送体、生理活性物質と
の相関をすべて乗数と考えると、銀河全体の星の数をはるかに超える、
天文学的な回数の実験が必要になってしまう。
これはとうてい、ひとりの医学者が一生かかっても計算できる量ではない。
食品成分の体内での変化や作用を確かめる、というのはそういうことなのだ。
よって実は食品分析センターなどの公的機関でも難しいのだが、
それらの機関は類似の食品や医薬品に含まれ~(後略)
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これらの知識は、拙著執筆前から筆者の脳内にあったものだ。
ヤフチャ科学部屋で、自然に生物医学担当になったのは、
当然の結果であり、同時に私の誇りである。
コピーライター・作家 ヤフチャ科学部屋・生物医学担当
非戦論者 護憲論者 江古田潤