ヒトは夜行性?




↓拙著・屁理屈屋、P198、睡眠より

 ヒトを含む霊長目のグループで、もっとも原始的な形態を残しているのは、

ロリスという猿に似た生き物だ。もちろん夜行性なのだが、夜の世界にも敵はいる。

哺乳類のなかには恐竜絶滅後、同類を喰う肉食獣に進化したものもいた。

虎や狼の祖先たちだ。そのため、

せっかく霊長目まで進化したヒトの祖先たちは、また夜を逃げ出さなければならなくなった。

彼らは本来の適応環境ではない昼に生きるようになった。

そして紫外線の危険にさらされる代償に、視覚を研ぎ澄まさせることに成功したのだ。

 もちろんこの学説は、脳が視覚機能を発達させたのが先が、

脳が昼間に適応せざるを得なかったのかという、さらに複雑な議論を呼んでしまい、

まだ決着を見ていない。

 こうして、ある意味いびつな進化を遂げた結果、ヒトには強い頻眠性が残った。

脳、視床下部に内在する『体内時計』には一日に数回、眠りにつかせようとする調節機構がある。

とくに大きなピークが2回あり、朝型の生活スタイルの場合、午後2~3時頃にそのひ

とつがあった。昼寝の医学的効用が説かれるのは、そうした意味からなのだ……。



この後、いわゆる東西の早寝早起きに関するコトワザを、

文化論的に言及している。私は進化論者であり、

政治評論家なのだ。安倍政権による、解釈改憲に反対。

日本政府は憲法九条を死守せよ。



コピーライター・作家 進化論好き 平和主義者 江古田潤