ピル
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必死で働いて貯めたお金で、広告主に頼らない方法で、自著を出した。
医学の発展を願って、国の平和を願って。なにがいけないの?
ところで。ピルと聞いて何を思うだろうか?
避妊薬を思う人が90パーセント以上。だが、これ、
コンドーム(外用)に対しての用語であり、
ピルとは経口摂取薬の総称に近い役割のある用語だ。
↓拙著・屁理屈屋P192。第一主人公と第二主人公の会話。
「成分から仮説は立てられますが、実験ができないから」
「実験?」
「この商品、ピル…… つまり経口摂取でしょ?
で、薬理成分が特定されていない。キノコの粉末を固めただけなら、
体内で発顕する薬理活性は1次機序だけ考えても数百はあります。
となると、まずラットとかに通常摂取させて解剖し、
血液や臓器の標本を作るほかない。人体とラットの体重比率、
または体表面積の比率から投与量を何種類か設定し、
単独投与の場合と通常のエサに混ぜた場合の群に分けて経過観察した後、
解剖するんです。でも動物実験の場合、
学内の倫理審査委員会にかけないと。こっそりやるのは無理です」
「倫理委員会だぁ? ラットってネズミだろ?
ドブネズミの白い奴だろうがよ。人間様が食べてるモンだぞ、これ」
↑動物・・・犬や猫は、ほぼ人と同列に扱われ、ペット葬、墓地もある。
が、ラットだって、哺乳類で、ほぼ人と同列に近い薬理動態を見せる。
秋の彼岸、医学部や薬学部、または大手健康食品メーカー、化粧品メーカーでは、
実験動物の慰霊祭をやる。医学は、
生物の命を犠牲にして成り立っている学問なのだ。医者だから?
へぇ、そんなに偉いのかね? 科学的論争、いつでも受けて立つよ。
あ、ちなみに避妊用の低用量ピルは、疑似妊娠状態を作り出すため、
子宮がんの罹患率を下げる、との報告が、今年、合った。
私は、がん情報ナビゲーター制度を履修している。
コピーライター・作家 医科学評論家 江古田潤