ナースの憂鬱



昨日のブログ更新で、世界軍事の話をしたから、

今日は医学よりにしよう。ところで。

必死で働いて貯めたお金で、広告主に頼らない方法で、自著を出した。

医学の発展を願って、国の平和を願って。なにがいけないの?

↓拙著・屁理屈屋P196より。

 えっと、この患者さんの主訴は熱発。姿勢、発声に異常なし、バ

チ状指はなし、既往歴、家族性の所見もとくになし、微熱で喉頭

発赤。顎下リンパにやや腫脹、眼球に溢血点および黄変なし、胸部

ラ音正常、腹部と背部の打診は境界で正常移行、貯留音はいずれも

不聴……。 で、次のこの患者さんは、と。
 
↑第一主人公・(修家聖/怠学中の医学生)のカルテ整理の思考描写。

以前、拙著のサブキャラだが、大活躍する唐沢医師が、

現実の存在であり、筆者の知り合いだと書いた。

彼いわく、最近の若い医者は電子カルテばかり見て、患者の顔を見ない、

と、嘆いていた。こんな笑い話がある。患者が診察室を出た後、

ドクターは電子カルテから目をはなし、ナースに問うた。

「今の患者、バチ状指とか、歩き方とか、へんなところ、会った?」

聴診器は自分がぶら下げているから、胸部ラ音や貯留音は聞かれなくて、

ホッとした、と、ベテランだったナースはそう愚痴った。

ちゃんと入室してくる患者の顔貌、姿勢、発声を確認して、

視診して欲しい。視診は、東洋医学では望診と言うのだ、は、

第一主人公の友人、東洋医学研究会の崎守のセリフ。

で、あのさ。拙著の描写が気に入らないのは分かるけど、

科学的に正しいのはどっちかね? 

女の子まで巻き込んで、恥ずかしいとは思わない?


コピーライター・作家 フェミニスト 

医科学評論家 ヤフチャ科学部屋・生物医学担当 江古田潤