キス病

 
二月に入り、ちょっと抜け出してきたようなので、書く。
 
さまざまな風邪薬のCMがオンエアされている。
常備しておけば一日で軽快・・・的な、
ニュアンスの広告が多い。ま、否定はしないが、
個々人による体質差が大きいのではないか?
 
あと、すぐ治る、から、家族や職場の友人とも元気よく会える、
的なニュアンスの広告もある。が、これ、ちょいと問題だ。
 
たまに細菌性のものもあるが、基本、風邪はウイルス感染。
 
罹患者の症状が軽快しても(市販薬は対処療法剤)、
 
ウイルスを感染させる力は失っていない。
 
つまり、すぐ治る、と、すぐうつせる、は同義語なのだ。
 
拙著・屁理屈屋P181より↓
「アデノウィルスにもサイトメガロウィルスにも
 
コロナウィルスにもEBウィルスにも、
 
つまりそのへんにウヨウヨいる病因ウィルスに、
 
抗生物質は効きません。もちろんインフルエンザウィルスにも。
 
現在使用されている抗生物質はほとんどがラクタム環に
 
活性部位を持たせたもので、その作用機序は、
 
細菌の細胞壁合成能力を阻害して増殖を抑制するというものです。
 
だから、もともと細胞壁のない
ウィルスには効きません。
 
『ウィルスを不活化させなければ治したことにならない』
 
というなら、治せないんでしょうね」
 
↑第一主人公のセリフである。これを書いた後、
 
エンベロープの説明をしたほうがいいかどうか、
 
書き手として悩んだ。が、ある奴とない奴があるし、
 
一冊まるごとウイルスの説明本になってしまう。
 
抗ウイルス剤を某パチンコ店のように、
 
じゃんじゃんばりばり、出せるわけはないし。
 
ちなみにEBウイルスは有名なキス病で、
 
これも書きたかったのだが、ページ数の関係で除外した。
 
こう書くと、医学なんて、とか政治なんて、とか難しくて、
 
分からないんじゃないか? と、思う方もいるだろう、が、
 
拙著の場合、高校生でも面白かった、と言い、
 
友達に貸したら戻ってこない、と言う音楽屋の友達、
 
など別にふだんは医学、科学、政治に関係ない生活を
 
しているヒトでも面白かった、と言ってくれる、
 
エンターテイメント反戦ミステリである。
 
ぜひ、ご読みください。

※※本作をネットで検索していて、私の悪口が届いた方、
刑法の名誉棄損か侮辱罪、また不正アクセス防止法違反ですので、
最寄りの警察署に通報ください。法務局には報告してあります。
あなたのIPアドレスが探られているんですよ?
準共犯要因もありますので、お気を付けて。

コピーライター・作家 元料理誌記者
肥満予防健康管理士 護憲論者
ヤフーチャット科学部屋・生物医学担当 江古田潤