食欲の謎

拙著・屁理屈屋P166より↓


※第一主人公、怠学中の医学生のセリフ。

 

→味覚の受容体は視覚の受容体、つまり異なる周波数の光を受けて

 

『モノが眼に見える』仕組みを創る受容体と、

 

ほぼ同じ構造をしていることが分かっています。

 

七回貫通膜という受容体タンパクが細胞膜に存在し、

 

ようするに血管内皮細胞や眼球などと同じく、

 

非常にポピュラーな構造をしています。脳にもそうした受容体がありまして、

 

生命の発生や根幹に関わる受容体といえるんです。

 

それなのに脳は、肥満を起こし生命の危機があるほど

 

恒常的に血糖値があがっている人にも、

 

『食欲』が起きるよう司令する。しかも新たにやってきた糖分や旨味を

 

『おいしい』と感じるんです。おかしいでしょ?

 

 生命は、その生命をなるべく持続させるべく各機能を

 

進化させてきたはずです。なのに、なぜ大脳辺縁系と食欲中枢、

 

各臓器のサイトカイン(生理活性物質)は協調しないのか?

 

 そりゃ血液で輸送されるサイトカインが、神経と違って

 

タイムラグがあるのは仕方ない。でも…… ていうか、

 

もしかしたら現在の脳のシステムは直線上の進化で

 

獲得されたのではない可能性を示唆し、

 

つまり、えっと、だから味覚や嗅覚とか食欲の総体はなぜ……

 

↑ちょっと難しいところを描写した。が、

 

筆者の医学研究水準からすると、

 

もっと七回貫通受容体について、ページを割きたかった。

 

だが、そうするとエンターティメントではなく、

 

単なる科学本になってしまうから割愛した。上記の表現を、

 

もっとも表しているのは、ヒトは自殺を選ぶ動物である、

 

と言うこと。心理学的側面はともかく、

 

自殺は生命の原則に反する。とはいえ、いつか必ず、

 

ヒトは死ぬ。それが不意に襲ってきた病によるものか、

 

長年の生活習慣によるものか、は別として。

 

ただし、生活習慣はそのヒトが選択したのだから、

 

一種の自殺である、とも言える。こう書くと、医学なんて難しい、

 

と思われる方もいるかもしれない。が、本作は、

 

高校生から大学教授まで面白いと言ってくださる、

 

エンターテイメント反戦ミステリである。

 

ぜひ、ご購読ください。

 

※※本作をネットで検索していて、私の悪口が届いた方、
刑法の名誉棄損か侮辱罪、また不正アクセス防止法違反ですので、
最寄りの警察署に通報ください。法務局には報告してあります。
あなたのIPアドレスが探られているんですよ?
 準共犯要因もありますので、お気を付けて。


コピーライター・作家 元料理誌記者
肥満予防健康管理士 護憲論者 政治評論家
ヤフーチャット科学部屋・生物医学担当 江古田潤