吠えるのが仕事

 
すでに社会現象になっている。盲導犬が刺された事件。
 
Twiは炎上し、ネット検索すると、膨大な数がヒットする。
 
私も事件を知った日、FBに投稿した。
 
私が現場にいたら、後先考えず(刺した奴を)ぶっ飛ばしている、と。
 
いいね、してくれた方もいた。私は言論人。
 
暴力否定論者だ。それでも我慢できないことはある。
 
言論人であるとともに、ヤフーチャット科学部屋で生物医学担当だった、
 
私の見方はちょっと違う。盲導犬は、
 
パピーウォーカーさんのところで育ち、ヒトで言う思春期の頃、
 
訓練に入る。まず大切なことは無駄に吠えないこと。
 
それを徹底的に訓練される。だから刺されたオスカー君も、
 
吠えなかった。それが痛々しくて・・・。
 
原始時代。犬の祖先はオオカミに近かった。直系という説もある。
 
ヒトはまだ、街を持たず、草原や砂漠で、
 
家族単位、村の期限単位で、野営していた頃。
 
食べ物の匂いに近づいてくる動物がいた。犬の祖先だ。
 
そしてヒトが姿を現すと、警戒して吠えた。
 
この吠える、と言う習性に目を付けたヒトがいて、
 
自分たちが野営している場所に、
 
他の家族や部族が食糧や女性などを強奪しに来たとき、
 
この動物が吠えるのではないか? と、気づき、
 
エサを与え、自分たちも仲間だよ、と犬に語りかけたのだ。
 
集団生活する動物だからね、犬は。
 
つまり、ヒトのほうが犬の仲間に入れてもらったのが、
 
飼い犬の起源なのだ。その犬が吠えない教育をされて、
 
目の前にいる。自分の手ならまだいい、刃物を使った。
 
刃物は文明がもたらしたものであり、
 
その文明が発展する基盤を作ったのが犬との共同生活である。
 
犬は他の犬と、割とすぐ仲良くなるので、
 
連れているヒト同士も仲良くなる。社会の基盤が出来たのだ。
 
だから、私はきっと、また同じような事件があったら、
 
ためらわず殴る。この文章しか書けない、ひ弱わな手で。

 
 
コピーライター・作家 
ヤフチャ科学部屋生物医学担当 文明評論家 江古田潤