脳と悩みは似ている

 

以前、私は原因不明の意識喪失に陥り、転倒、

コンビニの冷蔵ケースに頭を打ち付け、

脳硬膜外血腫で緊急入院し、一命を取り留めた。

その話は、前ブログで書いたんだっけ?

急きょ、拙著・屁理屈屋で主人公たちが通う大学病院のモデルが、

東京医科大八王子医療センターに代わり、

「多摩川を超えて」などと言う描写も出てくる。・・・おっと。

つまり、私の命を救ってくれたのは、

八王子医療センターのドクターたちである。感謝している。



 シナプスとは脳神経細胞が連携し合う部分で、

 そこには細胞と細胞の間にほんの少し隙間が開いている。

 脳細胞は電気信号をいったんアセチルコリンドーパミンといった化学物質に換え、

 この間隙に放出するのだ。受け取った細胞は、これをまた電気信号に変えて

 順次、伝えていく仕組みになっている。
 
 なぜ、こんなにモノと電気刺激を交互に使い分けるのか。
 
 これは21世紀初頭の現在、脳科学者たちの謎を増やしただけに終わっている。

 いつでも自由に繋ぎ変えられるように、という仮説はついているが、根拠はあるようでないのだ。



ところが、これら脳科学描写は、倒れる前に記述している。

私の脳科学の知識は、ヤフチャ科学部屋で生物医学担当だった頃つけたもの。

拙著・屁理屈屋でも、脳科学描写が多いのは、

それが面白い学問だから。分かることができるのか? で、

つまづいている。・・・・あ。そうか、脳硬膜外血腫か。

術後一年、二年の検査で、左前頭葉の一部欠損と中脳の一部欠損を、

指摘されている。ので、自転車に乗れるか試してみた。

乗れる。喋りは? どんな相手にも言語障害がばれたことはない。

ただし可愛いコ、限定。で、ここからが問題だ。

退院してから一年ほど過ぎ、ご近所の皆さんとボウリングに出かけた。

最初のスコアは74。初めてボウリングしたときも87だったのに。

で、一緒に来ていたつれあいに聞いてみた。

「私のフォーム、変かな?」と。

つれあいは笑いを噛み殺しながら、「うん。すんごく変!」

と返答してくれた。彼女、または親しい友人は、

私のアベレージスコアが、170から180であることを知っている。

うーん、やはり思春期を過ぎて、憶えた運動記憶は、

すんなり消滅してしまったようだ。

皆さん、「若いころに運動習慣を付けましょう」ってわけで、

拙著に脳科学描写が多い、言い訳でした。


コピーライター・作家 ヤフチャ科学部屋生物医学担当
 脳科学者 アマチュアボウラー      江古田潤