DNA鑑定


最近のテレビドラマでは、相手の浮気を確定するため、

子供の遺伝子検査を行った、などと言う描写をよく見る。

が、テレビ局のPやD、どれだけの人が、

遺伝子の真実を分かっているのだろうか?

↓拙著・屁理屈屋P37。


「たしかにマスコミはひどい。以前だったら医学情報の取材は、

新聞なら科学部の記者、雑誌なら科学ジャーナリストが取材にきたもんだが。

健康関連の企画が一般誌でも増えたせいか、昨日まで『ナンパスポット特集』

の記事を書いていたようなのが平気で取材にくる。ゲノム解析の取材で来ました、

という奴に、タンパク質とは何かを一から説明しなくちゃならん。

それで出来上がってきた記事を見たら君、『遺伝子相性診断』なんて記事だ。

あほらしい。まだあるぞ。スポーツニュースのせいか、

グリコーゲンという言葉は知っているくせに、グルコースブドウ糖

を知らない。まったく、どいつもこいつも」

↑これ、実際、私が言われた言葉である。フリーランスになってすぐのこと。

今後、遺伝子鑑定が警察でも法律事務所でも多くなるだろうな、と、思い、

捜査機関関連の研究機関に取材要請したとき、

「・・・フリー? どこの記者?」と、問われ、

まだ売り込み先は決まっていない、新聞社系か、文芸誌系のどこか、

と答えた私に、最初は聞こえないようにボソッと呟いたのが、

この言葉だったのだ。聞こえなかったふりをして、

「DNA。これは略語ですね。ディオキシリボ・ヌクレイック・アシッド。

五炭糖に核酸。遺伝子の総称で、純粋に遺伝子と言った場合、

塩基のATGCが延々と連なって、固有を指すます。

コドンがアミノ酸を指定、タンパクを合成、

しかし自然界にはタンパク質は兆を超える数が・・・」

分かった、分かった、と言う声を出し、取材オッケーになった。

学歴に医学のイの字もない私が、

医学・法学・軍事・政治に満ちた警察エンターティメントを書けたのは、

私自身の努力と、ヤフチャ科学部屋のおかげである。

で、あのさ。拙著の描写が気に入らないのは分かるけど、

科学的に正しいのはどっちかね? 

女の子まで巻き込んで、恥ずかしいとは思わない?


コピーライター・作家 フェミニスト 

医科学評論家 ヤフチャ科学部屋・生物医学担当 江古田潤