まっしろ

医療ものだから、いちおう観ている。が、

これ、医療ものというより、

女性職場にありがちなトラブルを、

医療を舞台に演じているようだ。

と、思っていると足元を救われる。

急患来院、19歳女性、過度の腹部痛。

「妊娠反応、陽性です」

「外妊じゃない?」

「ダグラスに出血・・・子宮外妊娠か。オペ」

この三分間のシーンに大切なことが隠れている。

まず、(初診で)女性を診たら妊婦と思え。

臨床の基本で、ちゃんと検査されている。

過度の腹部痛から子宮外妊娠を疑い、

ダグラス窩を確認する。ダグラス窩は、

拙著・屁理屈屋でも取り入れようと思ったのだが、

盲腸が潜り込んで・・・と、いう医療漫画で、

使われてしまったため、割愛した。

それと、まっしろ、と本作がかぶった点はもう一つ。

師長がそっと手を重ねるようなラブシーンに見せて、

バチ状指に気付いている、と言う名シーン。

拙著では、いちおう初診のときの観点として、↓

主訴は下肢痛。多少、苦悶様の表情。

嗄声(させい=かすれ声)で語勢は弱、

だが意識清明、マルファン症候群、

パーキンソン症候群の兆候も不認。

年齢からして各種の合併症を視野に入れる。

ALS等、神経性疾患の可能性も留意しながら聴診、

問診することが大切……。

 修家は一礼しながら視診の初印象を暗唱する。

↑第一主人公はまだ医学生で、元教授の診察に付き合って、

この視診をしている。もちろん、元原稿にはバチ状指もあった。

が、一冊にまとめるため、カットしたのである。

いろいろとご批判はあるようだが、本作は、

真面目な医学・法学・軍事・政治に満ちた、

エンターテイメント警察ミステリである。ご購読をお願いする。

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コピーライター・作家 ヒト生物学者

ヤフーチャット科学部屋・生物医学担当 江古田潤