だが、マスコミ人として


前記事で、私がマスコミ人のくせに、

マスコミに恨みがある、と書いた。当時、15年前。

薬事法68条違反の広告表現を依頼されることが多かった。

まだ消費者庁も出来ていない。そして私自身、

幼児期からお医者さんのお世話になることが多かった。

ヘルシンキ宣言どころか、ロクに検査もしていない、

怪しげな健康食品の効果効能を匂わせる、

コピーライティングは出来ない・・・。

そう思って、断った。すでにダブルブラインドも知っていたし、

サリドマイドはL体? D体? 的な記事も、

読みこなす能力があったのだ。だが、発注元は冷たかった。

アイツ(私)は、フリーランスのクセに仕事を断りやがる・・・。

確かにマスコミ業界に何のコネもなく、

実力だけで喰ってきた私は、切ろうと思えば難なく切れる人材だった。

だから、自費出版で書いた。怪しい健康食品業者と癒着する、

マスコミ各社、マスコミ人の様相を。・・・で。

↓拙著・屁理屈屋P401より

 外気に吹かれて久住は気がついた。

もうひとつ指摘しておこうと思った点があったのだ。

体験談の作り込みの甘さだ。いかにも素人が書いたものだった。

ガンという医学用語はない。上皮細胞に由来するものを『癌』といい、

それ以外の悪性腫瘍を『がん』と表記する。便宜上、

両者は同義に扱われるが、とくに体験談の病名と

その書き分けは一致していなかった。

寄せられた患者の手紙をそのまま載せたから、と言い訳するための

小細工を仕掛けたのか? その可能性もある。が、元々の手紙はどこか?

と、捜査当局が指弾すればバレてしまう。

なのに、わざわざ誤用を混在させたのは……?
 
担当コピーライターがこっそり意図したのだろう。
 
万が一にでも捜査当局の手が伸びたとき、

共犯性を否認するために、だ。『私は医学なんかまったく分からず、

ただ書かされただけでして』と言い訳するために……。

これは、書かされたコピーライターが『発注先と、この仕事そのもの』

に不信感を持っている証拠だ。通常、言葉でメシを食っているものならば、

なぜ一般に使われている用語なのに、あちこちで『がん』『癌』『ガン』と、

いくつも書き分けられているのか、調べるものだからだ。

 あっちもこっちもか。

 そう久住は腹の下で笑った。

↑この久住は、私の分身である。そして上記の例は、

実際に書かされたコピーライターもどきの実話で、このトリックは、

私が教えたのだ。もちろん、細かい説明はせず、

文章に「ガン」「癌」「がん」と入れといて、

医学なんてわからなくて、と答えればいい、と。

アガリクス茸でがんが治る、的な本の発行社、著作者が、

薬事法違反で検挙されたのは、そのすぐ後である。

潤さんのおかげで、助かった・・・と、彼が思ったかどうか、

そこまでは知らない。私は静岡で、毎日、

トンビと遊ぶ生活を送っていたから。

※※本作をネットで検索していて、私の悪口が届いた方、
刑法の名誉棄損か侮辱罪、また不正アクセス防止法違反ですので、
最寄りの警察署に通報ください。法務局には報告してあります。
あなたのIPアドレスが探られているんですよ?
 準共犯要因もありますので、お気を付けて。


コピーライター・編集ライター・作家 元料理誌記者
肥満予防健康管理士 平和主義者 護憲論者 政治評論家
ヤフーチャット科学部屋・生物医学担当     江古田潤